導入先:TOTO株式会社 小倉物流センター
業種:住宅設備機器メーカー
導入商品:パワフルロボット(P-1000)
TOTO製品の物流拠点として、九州・四国・中国地方への配送を担うTOTO株式会社
小倉物流センター。衛生陶器をはじめとする重量物の搬送作業において、「物流の2024年問題」への対応や将来的な人手不足への備えとして、現場改革が課題となっていました。そこで自律走行搬送ロボット(AMR)「Neibo」パワフルロボット
P-1000を導入。1台で月約40時間の削減を達成すると同時に、現場スタッフの意識改革とDX推進を実現した経緯についてお話を伺いました。
1. 事業内容と運用の特徴
「TOTO製品の流通を支える一大拠点。
1パレット最大500kgにおよぶ衛生陶器を安全・確実に搬送」
TOTO株式会社 小倉物流センターは、TOTO製品(システムキッチン、システムバス等を除く)のストック拠点として、他物流センターへの移動や九州・四国・中国地方への配送を一手に担う重要な物流拠点です。 当センターで扱う衛生陶器は、1パレットあたり300〜500kgにも達するかなりの重量物です。これを敷地内の広大な倉庫で安全かつ効率的に搬送することが、日常業務における大きなポイントとなっています。
2. 導入前の課題
「『物流の2024年問題』への対応と人手不足の解消。従来の人力依存からの脱却を目指す」
導入以前、現場では「物流の2024年問題」への対応や、将来見込まれる人手不足に対する危機感がありました。物流を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、従来の人に依存した運用から脱却し、少しずつでもDXや自動化を推進していくことが必須課題となっていました。
3. AMRに求めた条件
「500kg超の重量物を運べるパワーと、フレキシブルなルート変更に対応できる柔軟性」
自動化にあたり最重視したのは、当センター特有の300〜500kgにおよぶ重量物を安定して移動させられる運搬能力と安全性です。 当初からAMRありきではなく、投資対効果や多角的な視点から検討を行いました。その中で、フレキシブルに搬送ルートを変更でき、展示会などでも目にする機会の多かったAMRに焦点を絞っていきました。
4. 「Neibo」を知った経緯
「『関西物流展』での実機確認が導入検討のきっかけ」
情報収集の場として定期的に活用していた「関西物流展」に社員が参加した際、初めてエクセディの「Neibo」の存在を知りました。また同時期に、社内の購買部門からも牽引タイプのAMRやAGVを含む製品紹介があり、検討対象として浮上しました。
5. 「Neibo」を選んだ決め手
「他社比較を経て自社運用に最適なNeiboを選定。自社でのマッピング対応と事前検証のクリアが決め手に」
導入検討にあたっては、社内購買部門からの提案も加えて数社のAMR・AGV製品を比較しました。安全性や品質、費用対効果を多角的に検証していく中で、最終的に自社の運用要件に最も合致する製品としてNeiboを選定しました。選定の主な決め手は以下の点です。
レイアウト変更に対応できる柔軟性:
倉庫のレイアウト変更を行っても、外部の専門業者に頼らず自分たちで簡単にマッピング(地図作成)ができる点。
親しみやすいデザイン:
機械に苦手意識を持つ現場スタッフにも受け入れられやすいデザイン。
4WS台車連結による事前の厳密な社内検証:
4WS台車を連結して搬送する運用を想定し、導入前に社内で安全面・品質面・生産性の向上を徹底検証。走行時の振動テストや、旋回時のなぎ倒し事故の有無などを検証し、すべてクリアできた点。
6. 導入プロセスとサポート体制
「デモ機による事前検証と、技術に強い迅速なサポート体制が導入を後押し」
社内での稟議や関係部署との調整をスムーズに進められた最大の要因は、導入前にデモ機を借りて実際の現場で実地検証が行えたことです。現場スタッフも検証作業へ積極的に協力してくれたためスムーズに検証が進み、実際の稼働成果を社内で確認できたことが導入の決定打となりました。
また、手厚いサポート体制も大きな助けとなりました。担当者のレスポンスが非常に速く、技術的な知見を深く持った営業担当者だったため、導入に向けた懸念点や現場の困りごとにも的確かつ迅速に対応してもらえる安心感がありました。
7. 導入による変化
「1台で月約40時間の作業時間を削減。単純搬送の自動化が『現場のDX意識』を芽生えさせる」
3か月間の検証を経て、「パワフルロボット P-1000」1台を正式導入。導入後、明確な数値成果と定性的な変化が表れています。
定量効果:
1台の導入により、月の作業時間を約40時間削減。
定性効果(意識改革):
これまで「2024年問題」の改善を進める中で、なかなか変化に対応しきれなかった従業員の気持ちに変化が生まれました。Neiboの導入がきっかけとなり、現場全体でDX推進への意識が芽生えました。
「人が判断すべき業務」と「ロボットが担当する単純搬送作業」の切り分けが明確になり、業務のメリハリと効率化が大きく前進しました。
8. 現場の声と定着度
「愛称は『ネイボーくん』。直感的な操作性と安定稼働で、60代のスタッフも安心して活用」
導入後、現場では「親しみやすい」「とっつきやすい」と好評を博し、スタッフからは親しみを込めて「ネイボーくん」と呼ばれ定着しています。
標準アプリの操作画面(UI)が直感的で分かりやすいため、特別な知識がなくても簡単なレクチャーだけで、60代のスタッフを含む4名が日常的な操作を問題なく担当しています。また運用にあたっては、旋回スペースを確保するために最小限のレイアウト変更を行うだけでスムーズに導入できました。さらに、夏の高温にある厳しい倉庫環境下でも止まることなく稼働し続け、導入以来事故ゼロを継続するなど、現場の安心感につながっています。
9. 今後の改善への要望
「さらなる活用に向け、アップデート情報の早期提供・牽引性能の拡大・マッピング簡易化へ期待」
アップデート情報の早期共有:
最新の機能追加やソフトウェアアップデート情報をより早く共有してほしい。
牽引性能のさらなる向上:
将来的に最大1.5トンの牽引まで対応できるようになれば、運べる資材の幅がさらに広がる。
マッピングプロセスの簡易化:
現時点ではマッピングのやり直しに少し手間と時間がかかるため、より手軽に更新できる仕様への改善を期待。
10. 今後の活用計画と検討企業へのメッセージ
「フル稼働に向けた適用業務の拡大へ」
小倉物流センターでは現在、全搬送作業の洗い出しを行い、Neiboの適用範囲を順次拡大しています。1日を通したフル稼働に向けた運用プロセスの構築を進めており、同センターにおけるDX推進の要として期待されています。
最後に、同様の課題を抱える企業に向けたアドバイスを伺いました。
「自動化の第一歩として、まずは現場で『搬送距離が長い作業』をAMRに置き換えてみることをおすすめします。シンプルなアプローチですが、それだけでも大きな省力化と確実な改善効果を実感していただけると思います」
TOTO株式会社 小倉物流センター様
取材のご協力、誠にありがとうございました。