働きがい(エンゲージメント)の追求
基本的な考え方
当社では、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりが企業価値向上の源泉であるとの考えのもと、直接系従業員の「総合満足度」、間接系従業員の「ワークエンゲージメント」を重要経営指標として継続的にモニタリングしています。調査結果に基づき重点課題を特定し、経営層との対話強化、人財育成、キャリア形成支援などの施策を推進しています。
取り組み
従業員満足度から従業員エンゲージメントへ
企業価値向上につなげる観点から、KPI を従来の「従業員満足度(総合満足度)」から「従業員エンゲージメント」へ変更しました。エンゲージメントは、働きがいを基盤とした仕事への主体的な関与や組織への貢献意欲を通じて、“稼ぐ力”の強化につながる行動を捉える指標です。単なる満足度ではなく、社員が自発的に価値創造へ参画している状態を測定することを目的としています。
直接系従業員における「総合満足度」の分析結果&対策
分析結果
階層別分析:肯定的回答(非常にそう思う+思う)の割合
| 2024 | 2025 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 全社計 | 47.2 | 54.2 | 7.0 |
| 部長・副本部長 | 100 | 100 | 0.0 |
| 課長・係長相当職 | 73.6 | 82.1 | 8.5 |
| 一般社員 | 44.9 | 52.1 | 7.2 |
総合満足度が大きく改善(+7pt)
概ね全階層にて改善。また、階層の上昇に伴い、総合満足度も上がる傾向
階層別分析:肯定的回答(非常にそう思う+思う)の割合
| 相関係数 | 2024 | 2025 | 差 | 取り組み | |
|---|---|---|---|---|---|
| 経営との信頼関係 | 0.67 | 3.16 | 3.24 | 0.08 | 2024年11月・2025年3月、全従業員対象に社長・副社長によるタウンホールミーティングを開催 |
| 職場満足度 | 0.66 | 3.39 | 3.50 | 0.11 | 本部別活動を推進(職場懇談会による現場の困り事改善、「サンキュー活動」による感謝・称賛を通じた認め合う風土づくり等) |
| 仕事を通じた成長実感 | 0.60 | 3.15 | 3.19 | 0.04 | 「仕事の任せ方・部下への動機付け研修」を実施 |
| 経営メッセージの浸透 | 0.59 | 3.24 | 3.11 | ▲0.13 | 上記の通り、タウンホールミーティングを開催 |
「総合満足度」と相関度が高い上位3要因においてスコアが良化
「経営との信頼関係」「職場満足度」「仕事を通じた成長実感」については上記・人的資本強化施策が奏功。但し、「経営メッセージの浸透」は施策の見直しが必要
対策
「経営メッセージの浸透」の低下を受け、2026 年度では経営層による従業員向けメッセージ動画をイントラネット配信中
- 2026年3月:社長が事業戦略・中計進捗、「脱エクセディに挑戦、超エクセディを実現」に込めた思い、社内好事例を発信
- 2026年6月:副社長が中計進捗への感謝、基幹事業・新事業従事者への期待、目指す企業像を発信
間接系従業員における「ワークエンゲージメント」の分析結果&対策
分析結果
「ワークエンゲージメント」の要素分析:回答選択肢を0~6点にスコア化。下記4要素からワークエンゲージメントを算出
| 当社 | |
|---|---|
| ワークエンゲージメント | 3.29 |
| 活力 | 2.80 |
| 熱意(熱心) | 3.41 |
| 熱意(誇り) | 3.18 |
| 没頭 | 3.76 |
「没頭」は高いものの、「活力」が他要因比、劣位
ワークエンゲージメントと相関度が高い要因別分析:回答選択肢を1~5点にスコア化
| 相関係数 | 2024 | 2025 | 差 | 取り組み | |
|---|---|---|---|---|---|
| 仕事を通じた会社・社会への貢献 | 0.72 | 3.42 | 3.06 | ▲0.36 | 有効な手立てを打てておらず |
| 仕事を通じた成長実感 | 0.68 | 3.36 | 3.41 | 0.05 | 「仕事の任せ方・部下への動機付け研修」を実施 |
| 仕事での成長可能性 | 0.67 | 3.31 | 3.38 | 0.07 | 従業員向け/ キャリアプラン作成、上司向け/ 部下とのキャリア面談に係る研修を実施 |
| 職務適正感(希望) | 0.65 | 3.20 | 3.31 | 0.11 | 上司とのキャリア面談やキャリアプラン運用の見直し |
「ワークエンゲージメント」と最も相関度が高い要因においてスコアが悪化。その他3要因については良化。「仕事を通じた会社・社会への貢献」に対する施策の立案&推進が急務
対策
「仕事を通じた会社・社会への貢献」の向上に向け、2026 年度よりタウンホールMTG に加え「本部長座談会」を開始。タウンホールミーティングでは社長と副社長が「会社・社会への貢献」を、本部長座談会では各本部長が「自部門による会社への貢献」を発信
経営層との対話を通じたエンゲージメント向上
当社では、中長期戦略に対する理解を深めるとともに、従業員との対話を通じて現場の課題や提案を把握し、経営に反映するため、全従業員を対象としたタウンホールミーティングを定期的に開催しています。
2025年度は、中期経営計画で掲げる変革の実現に向け、従業員一人ひとりの行動変容を促すことを目的に、「脱エクセディ」「超エクセディ」をテーマとして、社長を含む経営層が計35回に分けて全部門を訪問し、従業員との対話を行いました。参加人数を絞ることで、一人ひとりが発言しやすい環境を整え、より深い対話の実現を図りました。
2026年度は、パネルディスカッション形式や上級社員・一般社員を分けた開催など、各組織の特性に応じた形で、5月までに計21回実施しました。その結果、質問や提案の件数が増加するとともに、内容も会社の方向性に関するものから、自部門での具体的な取り組みや変革の進め方に関するものへと変化しています。また、対話を通じて把握した課題や提案は経営層で共有し、各種施策の検討や改善につなげています。
さらに2026年度からは、本部長座談会を開始しました。タウンホールミーティングでは社長・副社長が会社全体の方向性や社会への貢献について発信し、本部長座談会では各本部長が自部門の役割や会社への貢献について説明することで、双方向コミュニケーションのさらなる充実を図っています。
タウンホールミーティング開催回数から双方向コミュニケーションの質へ
また、こうした取り組みの実効性をより適切に評価するため、KPIを従来の「タウンホールミーティング開催回数」から、従業員意識調査における「双方向コミュニケーション」の評価へ変更しました。重要なのは開催回数ではなく、経営方針や戦略が従業員に分かりやすく伝わっているか、また従業員の声が経営に届き対応されていると感じられているかというコミュニケーションの質です。従業員意識調査の結果を通じて、その浸透状況を継続的にモニタリングしていきます。
専門家との連携によるエンゲージメント向上への取り組み
当社では、組織パフォーマンスとの関連性が確認されたエンゲージメントを重要経営指標と位置づけ、2025年度より従来の従業員満足度調査を見直し、エンゲージメント調査へ移行しています。調査の運営や結果活用においては、当社社外取締役・報酬委員会委員長でもある同志社大学大学院の井上福子教授の助言を受けています。また、京都大学経営管理大学院の砂川伸幸教授、山田和郎准教授との共同研究を通じて、エンゲージメントと組織パフォーマンスとの関係を分析し、エンゲージメントを重視したマネジメントの妥当性を検証しています。