サプライチェーン
基本的な考え方
調達の考え方
当社は、お客様に安全で高品質な製品・サービスを安定的に提供するため、サプライヤーを重要なパートナーと位置付けています。当社の生産活動は、世界各国の原材料メーカー、部品メーカー、物流事業者、販売関連事業者等、多くの取引先との連携によって支えられています。当社では、取引の基本原則として信義誠実の原則に従い、サプライヤーとの相互信頼に基づく生産分担を確立することを基本的な考え方としています。
開かれた公正・透明な取引
サプライヤーの選定にあたっては、国籍、企業規模、取引実績の有無を問わず、公正かつ公平な参入機会を提供します。取引先の選定では、品質、納期、コスト、技術力に加え、継続的な改善に取り組む経営姿勢、環境・社会課題への対応状況、安定供給能力、サステナビリティに関する取り組みを総合的に評価します。
相互信頼に基づく共存共栄
サプライヤーとの密接な双方向コミュニケーションにより、相互に必要な情報を共有し、信頼関係を構築します。その信頼関係を基盤として、競争力強化のパートナーとして相互研鑽に努め、共存共栄を図ります。
パートナーシップ構築宣言
当社は、2024年3月に「パートナーシップ構築宣言」を作成・公表し、適正取引の実現に向けて重点的に取り組むことを宣言しました。本宣言に基づき、サプライヤーとの共存共栄、サプライチェーン全体の付加価値向上、取引適正化を推進します。
グリーン調達の推進
「グリーン調達ガイドライン」に基づき、環境負荷の少ない商品・サービスの提供を推進します。サプライヤーに対しては、禁止・規制物質の管理に加え、CO2をはじめとする温室効果ガス削減、廃棄物を含めた資源循環、水保全、生物多様性保全への取り組みを求めます。
取り組み
サステナビリティ調達
サプライヤー向けガイドラインについて
当社は、サプライヤーに対して、持続可能な調達を推進するための「協力企業サステナビリティガイドライン」と「グリーン調達ガイドライン」を整備しています。新たなサプライヤーとの契約締結時には両ガイドラインを配布し、当社が求める環境保全および社会課題への取り組みを説明しています。サプライヤー各社の社内での実践だけでなく、サプライチェーンの上流にも同様の取り組みを展開いただくよう要請した上で取引を開始しています。
協力企業サステナビリティガイドライン
「協力企業サステナビリティガイドライン」は、自動車産業のサプライチェーン全体を通じたサステナビリティの取り組みを推進するため、サプライヤーに対する基本的な遵守事項を示すものです。企業理念、サステナビリティ方針、調達基本方針、持続可能な社会への貢献、コンプライアンス、人権・労働、地域・グローバル社会、リスク管理、ガイドラインの遵守、評価等を定めています。
人権・労働に関する要請
サプライヤーに対して人権尊重のための活動・教育の普及・浸透を求めています。具体的には、①差別の撤廃、②人権侵害・ハラスメントの禁止と通報者保護、③児童労働の禁止、④強制労働の禁止、⑤適正な賃金・給付、⑥法令に従った労働時間、⑦従業員との対話・協議および結社の自由、⑧安全・健康な労働環境の確保、⑨多様な働き方の実現の9項目について実践を要請しています。
サプライチェーンにおける贈収賄防止
公正かつ透明性の高い企業活動および調達活動を推進するため、腐敗防止に取り組むことを求めています。サプライヤーに対しては、政治献金や寄付を行う際には各国・地域の法令を遵守するとともに、政治・行政機関との透明かつ公正な関係を維持することを要請しています。また、不正な取引を目的とした接待、贈答、金銭その他の利益の授受・供与を行わないことを求めています。
責任ある資源・原材料調達
人権や環境等の社会課題を引き起こす要因となり得る原材料の使用による地域社会への影響に配慮した調達活動を推進しています。紛争鉱物※1については、2013年以降毎年、顧客および日本自動車部品工業会の活動に合わせ、国内外のサプライヤーとそのサプライチェーンをさかのぼって使用状況を調査しています。また、拡張鉱物※2についても調査を実施しています。
- 紛争鉱物(=コンフリクトミネラル)
アフリカのコンゴ民主共和国及びその周辺国にて産出され、武装勢力等の資金源となっている「スズ」、「タンタル」、「タングステン」、「金」の4鉱物。通称「3TG」(=Tin、Tantalum、Tungsten、Gold) - 拡張鉱物
紛争鉱物以外の追加鉱物で、「コバルト」、「天然マイカ」、「銅」、「天然黒鉛(グラファイト)」、「リチウム」、「ニッケル」の6鉱物
グリーン調達ガイドライン
環境保全活動をサプライチェーン全体で推進するため、「グリーン調達ガイドライン」を制定し、国内外の環境規制の変化に合わせて継続的に改訂しています。本ガイドラインでは、法規制・条例等の遵守、環境マネジメントシステムの構築・整備、製品含有化学物質の管理、温室効果ガス排出削減、資源循環、水資源保全、生物多様性保全等、サプライヤーに対する具体的な環境要請事項を定めています。
環境マネジメントシステム外部認証未取得企業への対応
環境マネジメントシステムの外部認証※未取得のサプライヤーを対象に、環境への取り組みに関する自主監査を要請し、その結果を評価しています。改善が必要とされるサプライヤーには是正・改善を要請するとともに、外部認証取得に向けて段階的にレベルアップいただくよう促しています。
※ ISO14001、KES、エコステージ、エコアクション21 等
製品含有化学物質管理
毎年開催する調達方針説明会においてグリーン調達に関する要請を行うとともに、顧客要求に基づき、フタル酸エステル類やPFOA等の特定物質の含有有無調査を随時実施しています。
サプライヤー評価
サプライチェーン概要・評価対象
2025年度に仕入実績がある企業数として、当社単体が直接取引している1次サプライヤーは、主資材企業で約220社、副資材企業を加えると約620社です。
新規取引開始時の安全衛生・環境評価
新たなサプライヤーとの取引開始にあたっては、安全衛生および環境への取り組み状況を事前に評価し、当社が求める基準への適合状況を確認した上で取引を開始します。
サステナビリティ自己評価
サプライヤーには毎年、「協力企業サステナビリティガイドライン」に基づき、法令遵守、人権尊重、労働安全衛生、環境保全、腐敗防止等に関する自己評価を実施いただき、その結果を各社へフィードバックしています。また、各国の法令に従った政治献金・寄付の実施状況や、不正な取引を目的とした接待・贈答等が行われていないことを含め、腐敗防止に関する取り組み状況も評価しています。評価結果を通じて各社の強みや課題を共有し、サプライチェーン全体のサステナビリティレベル向上を図ります。
リスク評価
リスク管理の基本方針
自然災害や火災に加え、感染症、地政学リスク、テロ・サイバー攻撃等、購入品の安定調達を脅かすさまざまなリスクに対応するため、サプライチェーン全体を対象としたリスク管理およびBCP強化を推進しています。サプライヤー評価や監査で把握した潜在リスクについても、改善活動を通じたリスク低減に取り組んでいます。
マルチソース化による安定調達
購入品の安定調達を確保するため、品目ごとに複数の調達先を確保し、供給断絶リスクの低減に取り組んでいます。
サプライヤーリスク評価
当社は、安定供給の確保に向けて、サプライヤーの供給リスクを定期的に評価しています。サプライチェーンを遡って生産体制やリスク情報を把握するとともに、自然災害リスクおよび事業継続リスクを評価し、サプライチェーン全体のレジリエンス向上に取り組んでいます。評価の結果、優先的な対応が必要と判断したサプライヤーに対しては、リスク低減に向けた対策の実施を働きかける等、サプライヤーと連携した改善活動を推進しています。
自然災害リスク評価
生産拠点の所在地や建物・生産設備の耐震化状況、浸水対策の実施状況、有事の代替生産拠点情報、緊急時の連絡体制等を確認するとともに、想定最大震度や浸水深さ等を踏まえた自然災害リスク評価を実施しています。リスクが高いと判断したサプライヤーに対しては、対策の実施を働きかけています。
事業継続リスク評価
生産拠点や設備の状況に加え、経営状況、後継者の有無、設備老朽化等、サプライヤーの事業継続能力に影響を及ぼす要素を定期的に確認しています。評価の結果、リスクが高いと判断した場合には、サプライヤーとの対話を通じて課題を共有し、安定供給に向けた改善活動を推進しています。
監査・現地確認
安全・衛生・環境・サステナビリティ監査
サプライヤーに対しては、安全・衛生・環境・サステナビリティの現地監査を目的として定期的に訪問し、不備があれば改善指導を行っています。2025年度は6社に対して監査を実施し、さらなるレベルアップを図っています。
品質監査
特殊工程を有するサプライヤーやIATF16949未取得企業等を対象に、品質監査を実施しています。品質監査は約150社を対象に、5年に1回以上の頻度で監査を計画しています。2025年度は26社に対して品質監査を実施しました。監査では、品質マネジメント体制、品質基準類の遵守状況、工程管理、変更管理、設備管理、測定機器管理、教育訓練、異常発生時の管理等、品質保証上重要な項目を確認しています。
Tier2 サプライヤー管理
1次サプライヤーだけでなく、その先のサプライチェーンを含めた品質保証体制の強化にも取り組んでいます。IATF16949またはISO9001認証を取得している1次サプライヤーについては、品質システム監査シートを用いた2次サプライヤー監査を実施していただき、その結果を当社が確認・承認しています。必要に応じて当社自ら監査を実施することで、上流工程を含めた品質マネジメント体制の強化を図っています。
原材料品質管理
当社およびサプライヤーが使用する原材料については、品質基準を設定しています。原材料メーカーは製造ロットごとに試験(検査)成績書を作成し、当社の受入検査担当者はその内容を確認することで、当社基準への適合性を確認しています。万一、基準を満たさない場合には、原材料メーカーに是正措置を求めることとしています。
サプライヤーへの支援・協働
改善要請・フォローアップ
評価や監査で課題が確認されたサプライヤーに対しては、是正計画の策定を要請し、改善完了まで定期的に進捗を確認しています。必要に応じて再評価や現地確認を実施し、対話と支援を通じて継続的な改善を促しています。
コンプライアンスの遵守
関係法令ならびに経済産業省が策定した「自動車産業適正取引ガイドライン」、「協力企業サステナビリティガイドライン」および「グリーン調達ガイドライン」の趣旨を踏まえ、公正で誠実な調達活動を推進します。調達活動に従事する従業員一人ひとりが公正で誠実な調達活動を実践できるよう、「エクセディ行動規範」に基づく行動を徹底します。
取引基本契約における遵守事項
サプライヤーとの取引基本契約には、「環境保全」「資源保護」「反社会的勢力の排除」に関する事項を織り込み、持続可能で公正な取引関係の構築に努めます。
接待・贈答品の管理
公正・透明な企業活動および調達活動を徹底するため、従業員は取引先からの接待や贈答品を原則として辞退します。やむを得ず受領する場合には、上長および役員へ報告し、すべてをオープンにする運用を徹底します。
サプライヤー向け相談窓口
公正で透明性の高い取引の実現に向け、サプライヤーが利用できる相談窓口を設置しています。当社との取引において、法令違反、企業倫理に反する行為、不適切な取引慣行、その他コンプライアンス上の懸念事項がある場合には、相談・通報を行うことができます。本窓口はサプライヤーに配布している「取引マニュアル」に掲載し、周知しています。
適正取引教育
調達活動に従事する従業員に対し、関係法令、社内規程、行動規範に関する教育・啓発を実施しています。また、当社は顧客が開催するサステナビリティ勉強会に参加し、社会課題への理解を深めています。さらに、経済産業省/中小企業庁主催のeラーニングを受講し、当社および関連会社の従業員への適正取引(取適法等)の普及・啓発を行うとともに、各種団体が開催する適正取引推進セミナーにも参加しています。
調達方針説明会
当社では、毎年5月に主要サプライヤーを対象とした調達方針説明会を開催し、中長期戦略に基づく重点取り組み事項やサプライヤーへの期待事項を共有しています。調達部門からは、安全・環境・BCP・サステナビリティに関するリスク動向や法規制改正に関する情報を提供するとともに、適切な対応を促しています。また、品質保証部門からは品質方針や重点課題の展開に加え、不具合事例の共有、過去トラブルの点検活動や再発防止ツールの活用促進を通じて、サプライヤーの品質保証力向上と品質リスクの未然防止を支援しています。
2026年度の調達方針説明会には、仕入総額の約9割に相当するサプライヤーにご参加いただきました。
相互研鑽・人財育成支援
サプライヤーの技能向上や企業体質の強化を目的に、主要サプライヤーに対して人財育成支援を行っています。主要サプライヤーのニーズに合わせ、社内教育機関である「グローバルエクセディテクニカルスクール」への受け入れ体制を整備しています。
また、一人ひとりの技術技能をレベルアップし、さらに難易度の高い業務に取り組める能力の習得を目的に、「エクセディオリンピック」を定期的に開催しています。競技内容には、フォークリフト運転、金型交換作業等の安全意識・技術力向上を目指すものや、正確かつスピーディーな計測技能の習得を目的とした競技があります。これらの競技には、当社従業員だけでなくサプライヤーも参加しています。
情報共有による能力向上支援
サプライヤーに対して、品質・安全・環境活動等に関する情報展開・共有を行っています。品質不具合事例、労働災害の未然防止、サイバーセキュリティ、最新の法令改正状況、温室効果ガス排出量削減活動の好事例等を共有し、サプライチェーン全体の品質・安全・環境・コンプライアンス対応力の向上を図っています。また、サプライヤーに適正取引推進に関する各種セミナーを案内し、適正取引への理解と実践を促しています。
