人財育成

基本的な考え方

人と組織の成長を通じて、自社の持続的価値創造を実現する

当社は、人財の育成と職場環境の整備を通じて、一人ひとりが持つ力を発揮しやすい環境づくりを進めており、こうした取り組みがエンゲージメントの向上にもつながっていくことを期待しています。
挑戦と創造を促す環境を整えることで、人財ポートフォリオの転換を進め、組織の柔軟性と適応力を高め、事業の構造変革を加速させていきたいと考えています。

人財の育成に関する考え方:

当社の強みを活用しつつ、電動化製品等の新たな製品を創出し、グローバル企業として成長し続けるために、当社の持続的成長に貢献する人財の育成を目指します。

取り組み

当社は、中長期戦略の実現に向け、「基幹事業の収益力確保・向上」と「新事業の創出・育成」を支える人財の育成に取り組んでいます。求める人財像の明確化や育成機会の拡充、人事制度の見直しなどを通じて、人財基盤の強化を進めています。なお、育成施策の実施状況を把握する指標として「研修時間(年間一人当たり)」を用いてきましたが、現在は人財の成長や能力向上をより適切に評価できる指標への見直しを進めています。

基幹事業における次期監督者の育成

新事業の創出・育成の原資を獲得するための手段として、基幹事業における稼ぐ力を改善することも重要な課題の1つです。特に基幹事業を支える製造現場において、優秀な監督者を継続的に育成することは現場力・収益力を高める上では必要不可欠であり、製造現場の監督者候補に対して製造に関わるスキル、経験の習得だけでなく、マネジメント能力の有無などの適性審査とフィードバックを行い、よりレベルの高い監督者の育成に取り組んでおり、2026年度は16人の監督者候補を育成する予定です。

出資先企業での新事業実務経験

当社は、新事業の創出・育成力の向上を図るため様々な企業へ出資を行っていますが、当社従業員の出資先企業への出向を積極的に推進し、延べ 33名が出向しています。(2026年6月末時点)
異なる企業風土の中で当社では経験できない専門性の高い業務を行い、より裁量の大きい仕事へ挑戦できる機会をさらに増やし、個人としてのスキルアップ及び組織としての新事業創出・育成力の強化を図り、企業価値向上の実現を加速させます。

社内外研修体制の強化

シリコンバレーでの新事業創出研修

新事業創出人財の育成および社内風土の醸成を目的に、米国シリコンバレーへの派遣型プログラムを実施しています。2023年度より開始し、2026年6月末時点で13名を派遣しました。本プログラムでは、日本での事前研修を経て、新事業に関する基礎知識の習得から、現地でのアイデア創出、投資家へのピッチまで一連のプロセスを経験し、実践的なスキルとマインドの醸成を図っています。加えて、2024年度以降は公募形式を導入し、意欲と能力のある人材に挑戦機会を提供しています。

また、新事業創出人財の育成に係る上級プログラムとして、長期間にわたる米国シリコンバレーへの派遣型プログラムへの参加も実施しております。(Nomura SRI Innovation Center Bootcamp)
内容としては、デザイン思考のプログラム学習を中心に約8週間にわたり、現地で学びます。その中で各種フレームワークの講義や多様な専門家による講義も行われ、新事業創出の為の実践的なスキル向上を図るとともに、マインド・カルチャーを醸成しており、2026年6月末時点で3名を派遣しました。

DX人財研修

DX推進に向け、デジタル技術やデータ活用に精通した人財の育成を進めています。2025年度は管理職および実務者207名を対象にITリテラシー教育(計27時間)を実施し、業務改善や戦略立案に必要な知識の習得を推進しました。また、昨年に引き続き「社内DXコンテスト」を開催しました。61件の応募の中から業務改善効果の高い10件を表彰し、各職場でのDX推進につなげています。応募内容は単なる業務効率化にとどまらず、業務プロセスそのものの見直しや新たな付加価値の創出を目指すものへと発展しており、社員のDX活用レベルの向上が見られます。さらに、新事業創出への貢献を目的として6名を対象にプログラミング研修を実施しました。受講者は研修修了後、全員が新事業関連部署へ異動し、習得した知識を活用しながら新事業創出に取り組んでいます。

各階層別 教育研修プログラム

当社グループの持続的成長・進化に貢献する人材の育成を目指し、各階層・年代、および目的に合わせて、下図のようにシームレスに従業員の将来像・成長を描き、実行する教育プログラムを多数用意しています。

2026年3月期における社員一人当たりの年間研修時間は38.1時間でした。

各階層別 教育研修プログラム図

自己啓発支援の教育プログラムについても、社内の講座に加えてe-ラーニング講座を用意しています。講座修了者には、受講料を補助しています。
ものづくりに関する講座だけでなく、マネジメントやビジネススキル、語学やOAスキル等、多種多様な講座を提供しています。

人財育成制度の変革

中長期戦略に連動した人材像の再定義と人事制度の変革

当社は、中長期戦略の実現に向け、「変革を推進する人材づくり」と「挑戦する組織風土の醸成」を進めています。基幹事業における収益力の確保・向上と、新事業の創出・育成を両輪で推進する中で、従来の「与えられた課題に応える力」から、「自ら学び、課題を設定し、部門や立場を超えて連携しながら価値を創出する力」へと重点をシフトし、求める人材像を再定義しました。

また、この人材像を組織全体へ浸透させるため、人事制度についても抜本的な見直しを行いました。新たに定義した人材像を踏まえ、評価項目や評価基準を見直し、成果や貢献に加え、価値創出に資する主体的な取り組みや行動をより適切に評価する仕組みへと転換しています。あわせて、従来の職種区分の見直しを行い職務や役割に基づくコース体系へ再編し、新事業の創出を担う人材についても、その成果のみならず、求められる専門性や思考創造性、収益への関与度など、職務内容や役割の難しさ等に応じて評価・処遇される仕組みを整備しました。これらの取り組みを通じて、社員一人ひとりの自律的な成長と挑戦を促進するとともに、挑戦する組織風土の醸成と、中長期戦略を支える人材基盤の強化を図っていきます。

中長期戦略に連動した人材像の再定義の流れ

経営人財の選任プロセスの透明公正化

当社グループでは持続的な企業価値向上を実現するため、経営人財の選抜と育成に注力しています。具体的には、指名委員会が経営人財の選抜・育成において、より戦略的かつ実効性のある役割を果たせるよう、体制を強化しました。指名委員会では経営層に求められる役割を明確に定義し直し、「脱エクセディ(変革)」、「基幹事業の稼ぐ力の向上」「新事業の創出・推進」のミッションを強く推進できる人財を抜擢しようとしています。経営幹部候補となる執行役人財の選抜においては、部門長クラスを対象に、毎年人事部による面接と書類審査を経て候補者プールをつくります。その後、候補者同士のグループディスカッションの機会を設け、発言内容やリーダーシップ行動を指名委員が定性的にモニタリングし、客観性と透明性を確保したうえで選定を進めます。本部長や執行役ポストに欠員が生じた際には、指名委員が候補者と直接面接を実施し、指名委員会にて適格性を慎重に審議した上で取締役会にて決議します。